藤本美貴 「ガッタスは、楽しまなきゃ!」

80ページから83ページは藤本美貴さんの特集。

「いい意味で味方を使う、使われる楽しみが最近あって。そういう意味では自分でなにがなんでも得点!というよりも、私に集めて!出してあげるからっていう感じですね、いまは」

丸くなったと言っては一言で片付いちゃうけど、モーニング娘。で最年長になって後輩の面倒見たり、モーニング娘。のサブリーダー、ガッタスの副キャプテンになってグループの中で自分はどういう位置にいるのか客観的に見れるようになってそれが行動の変化にも現れてきてるのかなと思います。でも行くときは行くし、プレーの幅が広がったと見ています。

「楽しんだほうが、絶対みんないいプレーができる。勝つためだけになると、いいプレーはできないですよ。」

上手い具合に肩の力が抜けてきましたね。フットサルの試合で緊張を楽しんでプラスに持っていく術(すべ)をこの3年間で覚えたようです。ガッタスは負けても結構あっさりしてることが多くてそのことが批判されることもあるけど、彼女達は勝つのは大事だけどそのためにはフットサルを楽しんやることを実践しているからその部分はそのまま温かく見守った方が良いかもしれません。

ガッタスメンバーはみんながみんな、いいとき悪いとき、いい面とイヤな面、出しちゃってるし、私も安心して出せる。」

これはスポーツならではという感じがしますね。芸能のお仕事だったらイヤなことがあっても涼しい顔してなきゃいけないけどスポーツは感情を全面に出しても文句言う人はいませんからね。選手自身そういうのは出した方が気合が入っていいプレーができるのは分かっているでしょう。元々自分の気持ちをストレートに出すタイプの彼女にスポーツは相性が合っているのでしょう。

「なにかできなかったりすると、じつは悩んでいるのに、はいはいしょうがないじゃん、って態度をとっちゃう(笑)。そういう意味で私、感情表現が下手なんですね。」

「自分を安心して出せる」と言う一方、「弱い部分は見られたくない」とも言って感情の表現の仕方を語っています。でもこれは負けず嫌いの心の現われだからべつに悪いことでもないです。仕事とフットサルの両方に活かされてるんじゃないですか。そんな彼女をよく見てた人がいました。

でも、ひとちゃん(斉藤瞳)がガッタスを卒業したとき、くれた手紙に書いてあったんです。『いっぱい我慢、してたよね』って。あ、すごいなって思った。見ててくれたんだなって。

なんでしょうこのエピソード、ちょっと泣きそうになってしまったわけなんですが、勝ち負けがはっきりつくスポーツで苦楽を共にしてきたメンバー同士だから分かることとかあるんですかね。素の自分を出すということが逆に素じゃない裏側を浮き彫りにしてそれがミキティより少しだけお姉さんの斉藤さんにはよく見えていたということでしょうか。合宿で深まった絆による力も大きいでしょうね。

「5月の大会でもひとちゃんが試合に来てくれたけど、ガッタスだった、じゃなくてガッタスとして応援に来てくれたと思う。すごい嬉しいですよね。」

ガッタスの場合引退は形だけしか意味を持ちません。心は在籍したままなんです。