【プロレス】 ブルーザー・ブロディ20回忌 

ブロディがプエルトリコで殺されて今日で20年になった。犯人のホセ・ゴンザレスは正当防衛を主張し、事情を知っているはずの関係者は一様に口を閉ざしたため無罪放免となり後味の悪い事件となってしまった。
ブロディはアントニオ猪木でさえ手を焼くほど我の強い選手で行く先々のプロモーションでトラブルを起こしており、ファイトマネーを巡るトラブルからカッとなって刺したというのが真相と見られている。若い時分ファイトマネーをピンハネされた経験からプロモーターを信用しなくなっていたようだ。


20年前のあの日私は外から帰ると母から「プロディ?ブロディ?っていうプロレスラーがいるの?さっきニュースで亡くなったって言ってたけど」と聞かされて一報を知った。ただ、死んだのがまさかあの198cm、135kgの超獣だとはすぐ思いつかず最初誰のことだか分からなかった。あんな大きくて強い人間がたかがナイフで死ぬなんて子どもの私には想像できなかったのだ。翌朝何かの番組で事実を確認しひどく落ち込んだのを覚えてる。
当時インターネットなんてものはなく大人の人が読むものと思い込んでたスポーツ新聞を買うには敷居が高かった。詳しく知るにはプロレス雑誌の発売日まで待たなければならなかった。


私が選ぶブロディのベストバウトは88年3月27日日本武道館大会のジャンボ鶴田とのインターナショナルヘビー級選手権。キングコングニードロップで勝利し紙吹雪を髪に絡ませながらファンと共にキングコングシャウトしたシーンが忘れられない。鶴田という好敵手に恵まれてやりがいのある試合ができたと思う。もし生きていたらベストバウトに選んでたのではないだろうか。


生前のブロディを知る人、同じリングに上がったことがある選手は少なくなってきた。死後、彼をモチーフにした亜流レスラーはたくさん生まれたがどれも本家の迫力には及ばない。超獣は超獣。ブロディはブロディ。誰も追いつくことはできない。ブルーザー・ブロディの伝説は永久に語り継がれていくだろう。


トラブルメーカーとして有名だったブロディだがとても家族思いの人間でもあった。その辺りのことはバーバラ夫人の手記が詳しい。


ブロディ20回忌。合掌。


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